先日、知人(Aさん)を最期まで見送りました。医師から、「そろそろ覚悟を・・・」と言われてから約2週間。医師に会うたびに、「何度か三途の川を渡りかけたのですが、悪くなっては持ち直しという状況で、本当に生命力が強い!!人は不思議ですね」と話されておりましたが、Aさんもとうとう力尽き、白寿目前にして旅立っていきました。
人間は最期まで聴力は衰えないと言われていたので、ずっと寝ているAさんのお見舞いに来る友人達は顔を見ながら個々の思い出話に花を咲かせるようになりました。Aさんは美味しいもの・あまいもの好きのため、思い出話も食べ物の話ばかり。しかも面白いことに、友人一人一人、Aさんの好きなものがバラバラで。
「〇〇の羊羹をよく食べていたよね」
「あら、▼▼のプリンをよく食べに行っていたよ」
「▼▼が好きなのは知らない。その近くの××のお店の季節の和菓子をよく買っていた」
「えー、××では、お饅頭が好きじゃなかった?」
「お饅頭は彼女そんなに食べていないよ」
「そういえば、■■のお店で夕方でもカツカレー食べてなかった?」
「カレーだっけ?えびピラフじゃなかった?」
などなど。しかし、グルメ座談会も結論は「彼女が好きなのはやっぱりお芋よねぇ」と毎回一致。
そんなAさんも、最期は喉の潤いを補充するために差し入れられた、バニラアイスを一口含んだ程度でした。そのバニラアイスは、ここ数年コンビニで買ってみたら美味しかったと言っていたメーカーのものです。一番好きなものではなかったようですが、バニラは辛うじて合格点は貰えたかなと遺された友人達と話しています。
あなたの最期に食べたいものは、何でしょうか?「人生これが最期の食事ですよ」など予告はありませんので、元気なうちにコンスタントに好きなものを食べておきたいとつくづく感じました。 ちなみに、今のところ私は鰻と珈琲を希望食で挙げておきたいと思います。しかしここ数年鰻を食べていないので、まだまだ元気でいないと(笑) 最期の希望の生活は、エンディングノートに記しておきましょう。終活は元気なうちに希望を伝えておくことも大事です。

